高田洋一 展「見えない海」

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2008年4月30日(水)~5月19日(月) 火曜日休廊

最近はたくさんの子供たちのところに出かけて作品を見せる機会が増えた。
まずはバラバラの作品を、彼らの目の前で組み立てるところから始める。
最後の羽根を乗せた瞬間、全体バランスがとれてフワッと作品が浮き「おおっ」と歓声が上がる。
これは彼らとの出会いの儀式でもあり、実はどきどきしながらその声を待っている自分がいる。
改めて自分はこのためにじりじりと埒の明かない仕事をしているのだと再確認する。
別に立派な話じゃなくて、重力から解放されたような一瞬のエロチックな感覚、
それが作品をこれまで作り続けてこらえた本当の動機なのだろう。
仕事場で完成した作品は、見えない空気の海に漂うように静かに浮かんでいる。
ずっと自分の頭の中だけで蠢いていた生き物が、外に這い出して呼吸し始める瞬間。
その生き物を新しい画廊の空間に放すことにする。
takada08.jpg
「月の影」1990年(2006年再制作)
 素材:和紙・アルミニウム・ステンレス・鉛